こんにちは。ROUTE06 Tech Blogの編集チームです。ROUTE06のエンジニア対談を連載でお届けします。
第8回は、CTOの重岡 正さんと岩井 大志(さとし)さんです。
Web開発から事業会社での自社開発まで、エンジニアとして幅広い経験を積んできた岩井さん。新しい知識をインプットしたいという意欲のもと、2022年にROUTE06へ入社しました。
現在は、バックエンド開発をメインにPjMを兼務するほか、新しいチャレンジとしてAI領域のプロジェクトにも参加しています。「ずっと学び続けられる環境は飽きない」と語る岩井さんに、エンジニアを目指したきっかけや働きやすい組織つくりで心がけていることなどを聞きました。
プロフィール
岩井 大志 IWAI Satoshi
食品配送の会社に入社後、パソコン購入をきっかけにエンジニア職を目指す。
職業訓練校でプログラミングを学び、SESでWeb開発を担当。その後、勤怠管理システムや家計簿サービス、レシート買い取りサービスのAndroidアプリの開発に関わり、PMやリードエンジニアも経験。2022年11月にROUTE06入社。
エンジニアの仕事には学び続ける楽しさがある
重岡
岩井さんは、これまでにSESでWeb開発を担当したり、事業会社でAndroidアプリを開発したりと、幅広い経験をお持ちですよね。エンジニアを目指したのは、どんなきっかけがあったんですか。
岩井
もともと、食品配送の仕事をしていました。ただ、長く働き続けることを思うと、違う業界も視野に入れておきたいなと考えたんですよね。
そんなとき、初めてパソコンを買ったんです。「Webサイトってどうやって作るんだろう?」と気になって、自分で情報を調べながら作ってみたんですよ。それがとても楽しくて、一念発起で職業訓練に通い、エンジニアになりました。IT業界に転身したことは、人生のターニングポイントだと思います。
重岡
そうだったんですね。リードエンジニアやPMの経験もあり、着実にキャリアを積まれているなぁと思います。
岩井
エンジニアをやっていて楽しいのは、学び続けられることだと思っています。職場が変わるごとに、必要なドメイン知識も変わる。新しい知識を得られるのはいいですね。
それに、物作りが楽しい。やっぱり、開発しているシステムが動いたときが、「エンジニアやってるな」とわくわくします。
普段から、気になることがあればひたすら調べて、実際に手を動かして作ったり、動かしたりを繰り返しています。仕事以外で、アプリを作ることもありますよ。
重岡
どんなアプリを作っているんですか。
岩井
これまでに、Androidアプリを3つリリースしました。1つ目は、ブックマークを共有するアプリです。チャットアプリでURLを共有すると、後から見返して探すのがちょっと大変だなと思って。
2つ目は、スマートウォッチから家の中のIoT機器を動かすアプリです。スマートウォッチから、家の鍵を開けることもできます。これは、審査基準がかなり厳しくて公開までに時間がかかりました。2つとも、家族から「こんなアプリがほしい」といわれて、挑戦してみました。
3つ目は、自分の技術検証用のアプリです。Jetpack Composeと、形態素解析という自然言語処理をやってみたくて。たとえば「卵かけご飯」と入力すると「TKG」と表現するような、短い文章をアルファベット数文字だけの略語に変換するアプリを作りました。
新しいドメインの仕事に挑戦してみたい
重岡
岩井さんと知り合ったきっかけは、私がX (当時Twitter) で岩井さんをフォローしたことからでしたね。
岩井
そうです。本当にまったく知らなくて、「誰だろう。ROUTE06って会社があるんだ」というくらいでした。
重岡
実は、お話してみたいなと思ったエンジニアのアカウントをフォローしていたんですよ。そこから、岩井さんとはスムーズにカジュアル面談の流れになりました。
岩井
当時、BtoCのAndroidアプリを開発する仕事が続いていたんです。違う業界の仕事もやってみたいと考えていたので、重岡さんの話を聞いてみようかなと。Kotlinをサーバーサイドで使っていたことにも新しさを感じました。
そして、フルリモートで働ける環境も理想でした。ひとりでもくもくと取り組むことが好きなんです。リモートができる会社も増えましたけど、ROUTE06はフルリモートが前提。ROUTE06の理念もいいなと思ったので、選考にエントリーしました。
重岡
岩井さんが入社して、1年半ほど経ちました。現在、担当している仕事について教えてください。
岩井
今は、三菱商事さまのプロジェクトの PjM と SRE の PjM を兼務しています。チームの皆さんがとても優秀な方ばかりなので、いつも助けていただきながらプロジェクトを進めています。
SREでは、社内のプロダクトチームを横断して見ているので、プロダクトごとの違いに気づきますね。サービスのどこに一番重きを置いているか、お客さまごとに観点がさまざまで、それに応えていくことにやりがいを感じます。
イライラしないために意識していること
重岡
岩井さんは、どのような切り口でキャリアを考えてきたんですか。
岩井
ROUTE06に転職したときのように、新しいことを学べるか?の観点ですね。また最近では、一緒に働くみんなが働きやすい組織を作ることに関心があります。
以前のとある職場で、初めてリードエンジニアを担当したときに、メンバーから「岩井さんはイライラしない人ですね」と言われたことがあって。「岩井さんと仕事ができてよかったです」と言ってもらえたことがうれしかったんです。
なので、チームメンバーがいやな思いをせずに開発できる組織が作れたらいいなと考えてきました。
重岡
イライラしないよう、特別に意識していることはありますか?
岩井
ぱっと思い浮かぶのは、アンガーマネジメントの方法でよく出てくる6秒ルールですね。「イラッとしたときは、すぐに反応しないで、6秒待ってみましょう。怒りのピークが収まります」という、あのルール。
のんびりしている性格も影響していると思います。あまり人に対してイライラしないです。非効率なことや理不尽なできごとは好みませんけど。
重岡
組織との関わりって、新しく仲間に入る場合と仲間を迎える場合の両方があります。岩井さんは、それぞれの場面でどうしていますか。
岩井
自分が仲間に入る場合は、時間をかけてなじむようにしています。意識して心がけているというより、自分の性格だと思います。
反対に、自分がマネージャーやリーダーとしてメンバーを迎えるときは、困っていることはないか聞くことが多いです。自分がジョインしたときに困ったことを思い出して、声をかけていますね。
毎日のデイリースタンドアップという朝会でも、ファシリテーション担当の方が困っていることはないか、観察するようにしています。
飽きずに、夢中になれる状態とは?
重岡
私にとっても、みんなが働きやすくて、持続可能な開発組織を保つことは、つねに意識をしていることです。
これまでのエンジニア対談のなかでも話題に挙がりましたが、ROUTE06ではエンジニアに「何をしたいか」と先の希望を聞いて、その機会づくりを大切にしています。
ROUTE06には、エンジニア本人が関心を持てることに取り組める機会がある。つねに、飽きない、夢中でいられる状態があるようにしたいなと。
岩井
私にとって飽きない状態とは、学び続けられる環境があることですね。
今、AI開発のプロジェクトに取り組んでいます。以前、重岡さんとの1on1で「コードを書きたい」という話をしたことが、アサインのきっかけになってるのかなと。
LLMって、自分にとって未知の領域で。知らないことだらけだし、これまでの経験も生かしづらい。でも、私はお題を見つけるより、お題が降ってきてほしいタイプなので、「わかんないなぁ」といいながら楽しくやっています。
重岡
私は、壮大な課題を目の前にすると、挑戦したいという気持ちがわきます。ROUTE06を共同創業しようと思ったのも、遠藤さんから事業テーマを聞いて、取り組みがいがある課題だと感じたからなんです。
でも、自分ひとりでその課題に取り組むことはできません。だから、自分よりその課題の領域に得意で、興味があったり、前向きに取り組めそうな人を誘って、チームをつくり、課題解決に取り組んでいく。そしてまた、違う課題に取り組む。これを繰り返しています。
誰かの記憶に残るリーダーになれたら
重岡
対談の終わりに、岩井さんが今後取り組みたいことを教えてください。
岩井
誰かの記憶に残るリーダーになりたいです。「あの人と仕事してよかったな」「またあの人と働きたいな」と思われるような仕事を続けていきたいです。
実は、以前の職場で出会ったシニアマネージャーが、そういう人でした。技術もマネジメント力もあり、アドバイスのひとつひとつが的確。立場上、いろいろな人をマネジメントしたり、相談を受けたりしていたはずなんですが、いつも落ち着いていました。
素晴らしい人でしたね。もう一度仕事をする機会があったらうれしいです。私が目指したい姿だなと思っています。
(編集・執筆:マチコマキ)