こんにちは! ROUTE06 でソフトウェアエンジニアをしている@NoritakaIkedaです。
TSKaigi 2025 に参加してきましたので、レポートをお届けします!
TSKaigi 2025協賛背景
ROUTE06 が TSKaigi 2025 へ協賛した背景は以下の記事をご覧ください。
弊社エンジニアの登壇
弊社からは 2 名のエンジニアが登壇しました。
Day1 Miyagi Hirotaka の登壇: 「Valibot Schema Driven UI - ノーコードWebサイトビルダーを実装してみよう」
- 登壇者:株式会社ROUTE06 / Software Engineer 宮城 広隆(Miyagi Hirotaka)
- タイトル:Valibot Schema Driven UI - ノーコードWebサイトビルダーを実装してみよう
- 資料: https://x.com/MH4GF/status/1925816328922821043
- https://2025.tskaigi.org/talks/MH4GF
Day2 Noritaka Ikeda の登壇: 「機能的凝集の概念を用いて複数ロール、類似の機能を多く含むシステムのフロントエンドのコンポーネントを適切に分割する」
- 登壇者:株式会社ROUTE06 / Software Engineer 池田 仁俊(Noritaka Ikeda)
- タイトル:機能的凝集の概念を用いて複数ロール、類似の機能を多く含むシステムのフロントエンドのコンポーネントを適切に分割する
- 資料: https://x.com/omotidaisukijp/status/1926148674423292033
- https://2025.tskaigi.org/talks/omotidaisukijp
登壇中、SNS上で多くの温かいコメントをいただき、ありがとうございました。
参加レポート
@MH4GF
- TypeScript 歴 5 年 - 業務では React / Next.js / Node.js を利用 - TSKaigi 参加は今回で 2 回目
今年の TSKaigi はフロントエンド・バックエンド・モバイルなどの領域がバランス良く配置され、技術分野の垣根を越えて知見を得られる構成でした。前年に比べとりわけ AI に関わる話題の増加が顕著で、メインテーマではなくても AI 活用が途中で挟まれる発表が目立ちました。会場では「コーディングエージェントを使っていますか?」という問いかけが何度も行われましたが、会場の大半が手を挙げており、AI ツールが開発現場に浸透しつつあることを肌で感じました。
印象に残ったセッションの一つは AI Coding Agent Enablement in TypeScript です。kotaniさんは AI によるコーディングを「解空間の広さ」という概念で整理し、型チェックや Linter、デザインシステムをガードレールとして用いることで解空間を適切に絞り込む手法を提案していました。私もつい最近 Linter を活用した AI コード生成の品質向上について スライド で発表し、興味が強い分野です。私はプロジェクト固有ルールの自動生成までは踏み込めていなかったため、今回示されたアプローチをぜひ試してみたいと感じました。
もう一つ心に残ったのは 堅牢なデザインシステムをつくるためのTypeScript活用 です。デザインシステムのドキュメントが更新されなくなる理由を「デザイナー向けとエンジニア向けの記述が混在し運用が難しくなるため」と指摘していたのはかなり納得感がありました。さらに現場で即実践可能な Tips も多く紹介されていました。私たちのチームでは Figma Variables から style-dictionary を経由して CSS Variables を生成するツールを用意しており、発表内容を参考により改善できる内容を探したいと考えています。
今年の TSKaigi は昨年より規模もコンテンツの幅も大きく成長し、最新の TypeScript の知見が集まる場としてたいへん貴重になっていると感じます。運営スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。お疲れさまでした!
@NoritakaIkeda
- TSKaigi 2024 、 TSKaigi 2025 ともに運営スタッフとしても参加 - Software Engineer - TypeScript歴は2年ほど
運営スタッフ、登壇者としても参加しました。今年で2年目の開催で、初の2日にわたっての開催でしたが、最後まで熱量の高いカンファレンスでした。
特に興味深かったセッションの一つは、TypeScriptエンジニアがAndroid開発の世界に飛び込んだ話です。登壇者の方がTypeScriptを使うエンジニアとしてキャリアを積んだ後、Android開発に直近取り組んでいる中で整理した、TypeScriptとKotlinの歴史的な背景の違いや、技術的・アーキテクチャ的な類似点や相違点を紹介されました。自分がこれまで積み上げてきた技術的な経験をもとに、どう他の言語の世界で羽を広げて戦っていくか、非常に腑に落ちるセッションでした。
また、AI Coding Agent Enablement in TypeScriptのセッションも興味深かったです。LLMの解空間を、人間と同様にイネーブリングする手法を紹介するセッションでした。印象的だったのは、各所で研究結果が引用されつつ、それが現場の実践へ落とし込まれていた点です。論理展開も明快で、LLMによるコード生成の先進的な取り組みを理解しやすい形にまとめられている点が素晴らしかったです。
ぜひ来年もいろんな形で関わりながら、参加したいと思います。
おわりに
TSKaigi 2025 は、 TypeScript を中心に多様な技術やアイデアが飛び交う、とても刺激的なカンファレンスでした。登壇を通じて、自分たちの取り組みや考えを発信できただけでなく、他の参加者との活発な議論や交流から多くの学びを得ることができました。
また、参加者の皆さんやSNSでの反応から、 TypeScript コミュニティの熱量と温かさを改めて実感しました。今後も日々の開発の中で得た知見を共有し、コミュニティに貢献していければと思います。
カンファレンスの開催に尽力いただいた運営スタッフの皆様、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
来年の TSKaigi でも、また皆様とお会いできるのを楽しみにしています!