TSKaigi 2026 協賛・参加レポート

こんにちは! ROUTE06 の技術広報Bです。

2026 年 5 月 22 日(金)・23 日(土)にベルサール羽田空港で開催された TSKaigi 2026 に、ROUTE06 はスポンサーとして協賛し、弊社エンジニアの @NoritakaIkeda が登壇しました。そのレポートをお届けします!

TSKaigi 2026協賛背景

ROUTE06 は 2024 年、2025 年に続き、今年も TSKaigi へ協賛しました(Bronze スポンサー)。私たちは Acsim をはじめとするプロダクト開発に TypeScript を活用しており、TypeScript コミュニティへの貢献を目的としています。

協賛の背景は以下の記事をご覧ください。

route06.com

弊社エンジニアの登壇: 「OSSのコードベースにneverthrowを漸進的に導入して、AIにも人間にも優しいエラーハンドリングを実現する」

登壇の様子「OSSのコードベースにneverthrowを漸進的に導入して、AIにも人間にも優しいエラーハンドリングを実現する」
登壇の様子「OSSのコードベースにneverthrowを漸進的に導入して、AIにも人間にも優しいエラーハンドリングを実現する」

  • 登壇者:株式会社ROUTE06 / ソフトウェアエンジニア @NoritakaIkeda
  • タイトル:OSSのコードベースにneverthrowを漸進的に導入して、AIにも人間にも優しいエラーハンドリングを実現する
  • 日時:Day1(5 月 22 日(金))
  • https://2026.tskaigi.org/talks/11

Day1 には、弊社ソフトウェアエンジニアの @NoritakaIkeda が登壇しました。TypeScript で型安全にエラーを扱うためのライブラリ neverthrow を、OSS のコードベースへ「漸進的に」導入していく取り組みについて発表しました。

neverthrow は、関数の失敗を throw ではなく戻り値として返すことで、エラーの可能性を型に表現するライブラリです。Result<T, E> 型により、成功時は T、失敗時は E が型として明示されます。従来の try/catch では関数のシグネチャから失敗の可能性が見えず、catch {} でエラーを握りつぶすことも容易でしたが、neverthrow を使うことでエラー型を明示的に定義でき、.andThen() チェーンによって逐次処理の可読性も向上します。

発表では、こうした書き方が AI によるコード生成とも相性が良いことを軸に据えていました。握りつぶされがちだったエラーハンドリングが、AI の手によって宣言的なチェーンとして生成されるようになる様子が紹介されました。

導入は一気にではなく、次の 4 ステップで段階的に進める方法が共有されました。

  1. 自前のラッパー(@liam-hq/neverthrow)を用意する
  2. まず 1〜2 パッケージで、人間が代表的な記述例を書く
  3. AI(Devin)を使って横展開する
  4. ESLint で後戻りを禁止する

運用を通じて、.andThen() はビジネスロジックの連鎖に最適である一方、DOM 操作やフレームワークの制御には不向きであることなども見えてきたとのこと。チームでのペアプログラミングを通じて、誤用を少しずつ改善していった点もあわせて紹介されました。

登壇中、SNS上で多くの温かいコメントをいただき、ありがとうございました。

登壇の反響

懇親会やスピーカーディナーでは、「TSKaigi の内製 CMS で neverthrow を使っているので、体系的な話が聞けて嬉しかった」「社内にスライドを共有した」「neverthrow は使ったことがなかったが、Result 型を導入する一手段としてありだと思った」といった声が寄せられたそうです。

登壇した @NoritakaIkeda は、今回の発表の狙いを次のように振り返っています。neverthrow や Result 型の話題は、小さな Tips として TSKaigi では毎年触れられてきました。ただ、昨年の段階では AI のガードレールとしてうまく機能しきっておらず(モデルの性能やコンテキストの渡し方が進化しきっていなかったこともあり)、試したものの諦めてしまった方も多かった印象でした。今年は、モデルの進化と Skills の活用によって AI が意図通りの出力をするようになってきたため、「だからこそ今こそ導入するべき」という切り口で登壇したとのことです。

また、聴衆の前提知識をどう想定するかが難しかったとも振り返っています。あまり知られていないライブラリだと認識していたものの、スピーカーディナーで同席した方の多くは「知っているが使ったことはない」という状態だったため、neverthrow や Result 型の説明はシンプルにまとめたそうです。一方で、登壇後には「初めて知った」という反応も多く、もう少し丁寧に前提を説明してもよかったかもしれない、とのことでした。

おわりに

TSKaigi 2026 も、TypeScript を中心に多様な技術やアイデアが飛び交う、とても刺激的なカンファレンスでした。登壇を通じて ROUTE06 の取り組みを発信できただけでなく、会場や SNS でのリアクション、懇親会での議論から多くの学びを得ることができました。

改めて、TypeScript コミュニティの熱量と温かさを実感しています。ROUTE06 では今後も日々の開発の中で得た知見を共有し、コミュニティに貢献していきたいと考えています。

カンファレンスの開催に尽力いただいた運営スタッフの皆様、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

来年の TSKaigi でも、また皆様とお会いできるのを楽しみにしています!