AI活用とプロダクト開発の民主化、その現在地

おはようございますこんにちはこんばんは。ROUTE06 CTOの重岡です。

「ROUTE06 CTOが考えていること」シリーズ 2026年1月号です。前回の記事から約2年ぶりの更新となります。この間、会社としても私個人としても多くの変化がありました。本記事では、2024年〜2025年の出来事を振り返りつつ、2026年とこれからについてお伝えします。

2024年〜2025年の出来事

AI駆動開発への本格シフト

ROUTE06として取り組む事業領域は創業当初から変わっていませんが、取り組み方を大きく変えたのがこの直近2年でした。代表の遠藤さんがAI駆動の先に拓く、プロダクト開発とROUTE06の再定義で宣言したように、AI駆動開発への本格的なシフトを進めてきました。

日本のシステム開発では要件定義が何十年も解決されない問題であり、DXプロジェクトの約7割が失敗しているという現状があります。この課題に対して、私たちは新たなプロダクトで挑むことを決めました。

要件定義AIプラットフォーム「Acsim」の正式リリース

2025年8月、要件定義AIプラットフォームAcsimを正式リリースしました。構想整理、課題抽出、改善方針の提示、プロトタイプ生成、設計書の自動出力、開発稟議支援に至るまで、要件定義プロセス全体を一気通貫で支援するプラットフォームです。

ai.acsim.app

従来数ヶ月かかっていた要件定義の作業を最短1日で完了可能にすることを目指しています。日本の開発現場で属人化しがちな要件定義を、再現性とスピードを両立させる形で解決します。

ちなみに、AcsimはHonoを採用しています。

ER図自動生成ツール「Liam」のGitHub 3,000 stars達成

データベーススキーマから美しいER図を自動生成するオープンソースツール「Liam ERD」が、リリースから3ヶ月でGitHub 3,000 starsを達成しました。GitHub Trendingへの掲載が大きな後押しとなり、オーガニックな拡散が続いています。執筆時点で4,600 starsを超えており、引き続き成長中です。

liambx.com

github.com

AIアプリビルダー「Giselle」のProduct Huntローンチでの成功

ノーコードでAIアプリを構築できるプラットフォーム「Giselle」をProduct Huntへローンチしました。ドラッグ&ドロップで視覚的にAIワークフローを設計でき、複数のAIモデル(GPT、Claude、Gemini等)を単一ワークフロー内で統合できます。オープンソース(Apache License 2.0)で提供しています。

Product Huntでのローンチでは、デイリー2位、ウィークリー3位を獲得することができました。グローバルに向けてオープンソースプロダクトを展開し、このような成果を得られたことは、チームにとって大きな自信となりました。

www.producthunt.com

github.com

グローバルパートナーシップの拡大

Vercel、Supabaseとの連携も実現しました。

グローバルで信頼されているプラットフォームとの連携により、私たちのプロダクトの価値をより多くのユーザーに届けられるようになりました。

AI時代のDXコンサルティングとシステム開発

創業当初から取り組んでいるDXコンサルティングとシステム開発にも引き続き注力しています。AIをしっかり使いこなしており、AIが進化するにつれて継続的にキャッチアップし続け、お客様への提供価値を高める取り組みを行っています。

前述した自社AIプロダクトや後述する新たなAIプロダクトをフル活用し、AIの進化の波に乗って更に提供価値を向上させ続けていきます。

2026年とこれから

プロダクト開発の民主化まであと少し

代表の遠藤さんが10xの顧客価値を目指してで語っているように、AIによってシステム開発領域は劇的に変わりつつあります。プロダクトはエンジニアでなくてもバイブコーディングで作れる時代になりました。

しかし、事業で使えるレベルのプロダクト開発の民主化はまだ実現できていません。PoCやデモレベルのものは作れても、本番環境で事業を支えるプロダクトを構築・運用するには、依然として専門的な知識と経験が必要です。

ROUTE06では、プロダクト開発の民主化の実現に向けて、今年新たにプロダクトを2つリリース予定です。1つは、AIデザインプラットフォーム、もう1つは、AIファーストDevOps自動化プラットフォームです。ご期待ください。

これからのROUTE06のエンジニアに求めたいこと

これからのROUTE06のエンジニアには以下のような点を大事にしてほしいと考えています。

ビジネスパーソンとしての視点: 職業としてエンジニアであるなら、エンジニアの前にビジネスパーソンです。技術だけでなく、ビジネス観点で商いにちゃんと取り組める人が、より価値を発揮できる時代になっていくと考えています。

専門性の追求: バイブコーダーが取り組めない専門性を追求できる方。AIツールは今後も進化し続けますが、その進化した先でも、なお追求すべき領域があります。AIツールを日々使い続け、AIのアウトプットの品質を理解し、継続的にAIができない部分を探求し続けること。また、AI-Nativeなプロダクト開発を高速に推進できるガードレールの整備も重要であり、引き続きエンジニアの専門性が活きる場所です。

意思決定と責任を取ること: AIで何でも出来る時代だからこそ、何をするべきか意思決定し、その結果やプロダクトに責任を取れること。

個人のこと

AI失業への不安

正直に申し上げると、2025年前半は私自身、「イチエンジニアとしては失業するのではないか?」という不安を感じていました。AIコーディングツールの急速な進化を目の当たりにし、自分がこれまで培ってきたスキルがAIの進化により急速に無価値になるのではないかという焦りがありました。

コーポレートサイトリニューアルでの気づき

その心境に変化が訪れたのは、代表の遠藤さんがVibe Codingでコーポレートサイトを全面リニューアルしたプロジェクトでした。私はリリース前のコードレビューとリファクタリングを担当しました。

この取り組みを通じて実感したのは「直近数年はAI失業しなさそう」ということでした。この当時、バイブコーディングで生成されたコードはそれっぽく動くものの、本番環境で長期運用するには多くの改善が必要でした。エラーハンドリング、エッジケースへの対応、パフォーマンスの最適化、セキュリティの考慮など、プロダクションレディにするためのガードレールの整備は、まだまだエンジニアの専門性が求められる領域です。

心身の健康の大切さ

私自身は全くメンタル不調になっていませんが、もし自分がそうなったときの備えとして、また、もうそろそろ40歳に近づくこともありミッドライフ・クライシスの予習のために、知人がまとめていた良書を一通り読み漁りました。

また、AIが高速で生成するアウトプットや大量のコードレビューで長時間ディスプレイを見続けていた影響か、両目が網膜剥離になってしまいました。手術を受けて今は完治しています。コンタクトレンズをやめて、十数年ぶりにデフォルトメガネ生活に戻りました。AI時代には心身の健康を維持する大切さを、身をもって実感した2025年でした。

オフラインでの登壇活動

基本的にフルリモートワークですが、AI時代にHumanに残された活動の一つとして、フィジカル的な活動が大事だと考えています。2025年はオフラインでの登壇活動に積極的に取り組み、合計5本の登壇を行いました。

  1. LangfuseではじめるAIアプリのLLMトレーシング
  2. Speculative Implementation × AI で切り拓く Stripe API 移行実践記
  3. Startup CTO of the Year 2025でのセッション登壇(資料非公開)
  4. Honoを技術選定したAI要件定義プラットフォームAcsimでの意思決定
  5. Giselleで作るAI QAアシスタント 〜 Pull Requestレビューに継続的QAを

自己応募を中心にしつつ、主催者さまから直接の登壇依頼をいただいたものもいくつかありました。2026年もHumanに残された登壇活動に積極的に取り組みたいと考えていますので、登壇依頼をお待ちしております。

おわりに

約2年ぶりの更新となりましたが、この間のROUTE06の変化と私自身の心境の変化をお伝えできたかと思います。

以上、熊本からお送りしました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


本記事はGiselleのAIワークフローで下書きされ、Human重岡が校正して公開しました。