ROUTE06 Software Engineerの@yoshida-m-3です。 KPT (Keep Problem Try)やYWT(やったこと、わかったこと、次やること)など、振り返りの手法は様々ですが、今回ロールプレイングを取り入れた振り返りを行いました。
ロールプレイング振り返りとは
ロールプレイング振り返りとは、自分以外のロールの人になりきって振る舞い、振り返りを行うことです。 例えば、ソフトウェアエンジニアの場合は、プロダクトマネージャーやプロダクトオーナーなどになりきり、振り返りを行います。
今回のロールは現在関心の強い以下の4つを選択しました。
- エンジニア
- プロダクトマネージャー
- プロダクトオーナー
- ユーザー
目的・ねらい
他の人のロールになりきることで、新しい視点や気付きを得ること。
そして、相手の立場になり相手の気持ちを理解することで、自分の役割に戻った時に相手の気持ちを考えた行動ができるようになることを目的としています。
振り返りの流れ
1. ツール
FigJamを使用して進めました。 ツールはホワイトボード系のものであれば何でも良いと思います。
2. ガイドラインの説明
今回のロールプレイング振り返りでは、以下のガイドラインを説明しました。
- 目的の共有
- なりきる役割の説明
- なりきる役割の率直な意見を挙げること
- 意見に対して批判・非難は避けること
ロールプレイングを行うにあたって、本音を言い合える環境を作ることが重要だと考え、意見に対して批判・非難は避けることをガイドラインに加えています。
3. ロールの選択
現在のロールを明示した上で、なりきるロールを自由に選択して貰いました。
年齢や立場が近いロールを選択される傾向がありました。
4. なりきるロールで振り返り
テーマは過去〜これまで。そして現状の課題感や未来のプロジェクトについて振り返りを行うとしました。 かなり広いテーマであり、振り返る目的が明確であれば具体的なテーマを設定すると具体的な振り返りが行えると感じました。
振り返りでは、FigJamのWidgetであるFlip Cardを使用しました。
Flip Cardには表裏があり、裏面に振り返りを記入することで入力中の内容が他者に見えず、記載者も表示されないため、振り返り中の内容は他者に共有されません。
リモートで振り返りを行う上において、振り返り最中の内容が他者に見えないことは重要であると考え、Flip Cardを導入しています。
ユーザーの振り返り例
5. 振り返りの共有
振り返りの共有は、Flip Cardをめくりながら行いました。
今回は初めての振り返りのため、ファシリテーターが振り返りの共有を行いましたが、振り返りの共有もロールプレイングを行うメンバーが行うこともできます。
6. 現在のロールからフィードバック
振り返りの共有が終わった後、現在のロールからフィードバックを行いました。
ロールプレイングで挙がった振り返りに認識の齟齬がある場合、それはロール間のコミュニケーション不足によるギャップであるため、現在のロールからフィードバックを行い、認識の齟齬を解消しました。
振り返りの結果
接点の少ないロール間のギャップが明確になり、認識の齟齬が解消されました。
例に挙げると、エンジニアとプロダクトオーナーの間ではプロダクトオーナーは事業拡大に向けた機能開発を急務と考えていますが、エンジニアはプロダクトの機能開発を急ピッチで進めることによって、プロダクトの品質の低下・開発工数の増大を懸念としているといった互い課題の認識の齟齬が明確になりました。
また、今回はユーザーのロールも追加したことにより問題の優先度の見直しも行われました。
例えば、ECシステムにおいて1日当たりの注文数が増加しており徐々に出荷が間に合わなくなっている
という事実に対して、注文の大半がギフト用途である特性を踏まえて考えると、ユーザー目線ではギフト用途の注文の品が届くまでに時間が掛かることは多大なストレスとなっていることが明確になりました。
ロールプレイング振り返りを終えて
ロールプレイングを行うことで、目的である新しい視点や気付き
を得ることができました。
また、各ロールに求められる役割・責任が振り返りを行う中で再認識でき、今後のコミュニケーションにおける助けとなりました。