こんにちは。ROUTE06 Tech Blogの編集チームです。ROUTE06のエンジニア対談を連載でお届けします。
第7回は、CTOの重岡 正さんと玉代勢 靖さんです。
前職で、マネジメントと開発の現場、両方の立場からシステム開発に関わってきた玉代勢さん。今後のキャリアを考えるなかで、「やっぱりエンジニアとして働きたい」と決断し、2022年にROUTE06へ入社しました。エンジニア歴15年で、初めての転職だったといいます。
現在、エンジニアリングマネージャー(EM)からプロジェクトマネージャー(PjM)、開発と幅広く活躍する玉代勢さんに、ROUTE06へ入社しようと思ったきっかけや、プロジェクトマネジメントで大切にしていることを聞きました。
プロフィール
玉代勢 靖 TAMAYOSE Yasushi
ゲーム目的でパソコンを買ったことをきっかけに、プログラミングに興味を持つ。
2007年に株式会社プロトソリューションに入社。SE/PjMとして、グループ会社のWEBサイトの運用保守、情シスのほか、情報誌のプリプレスシステム移行プロジェクト、自社サービスの開発と、幅広い経験を積み、開発部責任者も務める。
2022年ROUTE06入社。現在、複数開発プロジェクトのEMを担当する。
- キャリアの長いエンジニアの悩み。マネジメントと現場、どちらを選ぶか
- 活気があり、新しさと学ぶ機会にあふれたエンジニア組織
- 「3年後はどうなっていたい?」を聞く理由
- GitHubですべての情報を集約。開発プロジェクトの全容が見えている安心感
- 「受け身の姿勢」はプロダクトをダメにする
キャリアの長いエンジニアの悩み。マネジメントと現場、どちらを選ぶか
重岡
玉代勢さんは、2022年の秋にROUTE06へ入社されました。エンジニアの仕事をスタートしてから、初めての転職だったんですよね。
玉代勢
そうですね。前職には、ほぼ開発未経験で入社して、15年間ほど勤めていました。親会社のシステム開発や保守を中心に、さまざまな開発プロジェクトに関わってきました。
プログラマとしての採用でしたが、SEのような立ち回りが多く、社外の開発パートナーのマネジメントをはじめ、プロジェクトマネジメントも担当しました。
重岡
前職では、どのような開発プロジェクトを担当したんですか。
玉代勢
1番印象に残っているのは、入社してすぐに担当した雑誌を作るシステムの移行プロジェクトです。
正直、職業訓練校で2か月くらいJavaを勉強しただけという状況でアサインされて。でも、2年ほどの長いプロジェクトをやり切れたことは、大きな自信につながりました。
その後は、BPO 事業向け自社業務システムの構築やスマホアプリの開発、画像認識システムの開発といろいろやってきましたね。
会社の立ち上げメンバーだったので、現場をまとめる役回りになることが多く、次第にマネジメントにも関わるようになりました。
マネジメントを始めた頃は、事業計画の立案やPLの予実管理が大変でした。「単月で予算と実績をプラスマイナス5%ぐらいに合わせる」が目標だったので、慣れるまでは難しかったです。
重岡
開発の予実管理は、開発を分かっている人がやったほうがよいと思いますね。開発が分からないと、「なんでこんなにかかるの?」となりやすい。私自身、予実管理をするようになって、あらためて実感します。
前職では、プロジェクトマネジメントから経営サイドまで、幅広いキャリアを積まれてきたと思うんですが、転職しようと考えたのは、どのようなきっかけがあったんですか。
玉代勢
エンジニアと経営サイドに近いマネジメントのどちらに進むのか?を考えたとき、エンジニアとして働きたいと思ったからです。
仕事でコードを書く機会が減っても、「プログラミングは楽しい、続けていきたい」と思っていたので、意地でもやれるときはやろうと努めていたんですよね。
新しい技術を採用するときも、チュートリアルぐらいまでは触って、自分でも理解するようにしていました。やはり、プログラマに開発を依頼するうえで、どんなことをやるのかインプットしておきたいなと。
でも、自分で開発する機会がやっぱり少なかった。
マネジメントをするにも、エンジニアリングの現場で勉強し直して、今の技術トレンドを押さえたうえで、マネジメントができるキャリアを積みたい。そう考えて、転職活動を始めました。リモートワークが広がり、沖縄にいながら働ける選択肢が増えたことも転職のきっかけのひとつです。
活気があり、新しさと学ぶ機会にあふれたエンジニア組織
重岡
転職活動では、どんなことを重視しましたか。
玉代勢
エンジニアリングの組織です。自分も勉強し直したい気持ちが強かったので、エンジニアリングの組織が魅力的かどうかが一番でした。
理想は、メンバーがいきいきと働いている組織。そして、自分が触れてこなかったような取り組みをしていることです。
その点、ROUTE06は全社でGitHubを使っているところがおもしろいなと感じましたし、カジュアル面談の印象がとてもよかったんです。
重岡
なるほど。カジュアル面談も会社によって位置づけはいろいろあると思うのですが、ROUTE06の場合は、お互いをよく知る場だととらえていますね。たとえば、今後育休を取りたいという希望を持っている方であれば、社内で育休取得の経験があるメンバーをアサインしたり。
カジュアル面談も1回ではなくて、はじめに採用チームと話をして、「開発のことをもっと知りたい」となれば、エンジニアが再度カジュアル面談をする場合もあります。いろいろなケースでやっています。
では、お試し業務委託はいかがでしたか。
玉代勢
開発業務で、簡単なイシューを対応しました。お試し業務委託では、実際にどんなことをしているかのイメージがつきましたし、エンジニア数名との雑談会もあり、手厚いフォローが良かったです。入社しようという気持ちが固まりました。
重岡
初めての転職で、不安なこともあったのではないかなと思います。
玉代勢
「自分のスキルや経験が他社で通用するか?」は、気になっていました。環境をリセットして、他社のプロダクト開発に入ったとき、自分にどんなバリューが出せるのか不安でしたね。
入社後に担当したのは、バックエンドの開発業務です。自分のパフォーマンスがチームや開発プロジェクトに迷惑をかけないよう、ちゃんと成果を出そう、やり抜くぞということを意識しました。なんとか成果を出せた、というのが最初の3か月。
次はプロジェクトマネージャー(PjM)のような立場にアサインされたことで、「ROUTE06でやっていけるぞ」と自信がつきました。
「3年後はどうなっていたい?」を聞く理由
重岡
では、現在担当している仕事について教えてください。
玉代勢
Plain導入プロジェクトの開発PjMとEM、Plainのバックエンドの開発も担当しています。
PjMとしては、PdMがお客さまとまとめた仕様の確認を行い、エンジニアへ設計や実装の橋渡しをするほか、開発全体の優先順位や進捗管理、QCDコントロールとしてテストも見ています。
重岡
EMとしては、どのような関わり方を大切にしていますか。
玉代勢
個人個人の先々のキャリアを聞くようにしています。「どんなキャリアを積みたいか」が第一にあって、3年後5年後のスパンでキャリアを考えてほしいなと思っているんです。
専門性を追求したいという希望もいいですし、今の仕事だけではなくて、先々のキャリアパスを考えていくことも、自分自身の選択肢に広がりが持てますよね。
重岡さんからも、ざっくばらんに「今は何をやりたいですか」「今後どうしたいですか」の話を聞かれます。
重岡
1on1には各職場で進め方があると思いますが、私の場合、将来のことを聞くのには2つ理由があります。
ひとつは、アサインのズレを間違えないようにすること。新しいことや挑戦の機会提供において、その意欲を持ってはいても、本人的にまだ準備中だったり、今はモチベーションがなかったりということはある。
タイミングを間違えると、かえって高負荷になると思うんです。チャレンジしたい、やる気があるというときに任せたほうが、お互いに良いじゃないですか。なので、自分が今できることからストレッチしたいかどうか、聞くようにしています。
もうひとつは、長く働いてもらいたいからです。現在、エンジニアの転職は売り手市場。転職をしながらキャリアを積むこともできますが、会社としては日頃からエンジニア本人の意向を聞いておくことで、会社と本人の方向性が合ったキャリアの選択肢を出せるように努めたいなと。
ちょっと経営側の視点が強いですが、飽きることのない、いつもエンジニアにとって魅力的な環境でありたいです。
GitHubですべての情報を集約。開発プロジェクトの全容が見えている安心感
重岡
玉代勢さんがROUTE06に入社して2年が経ちました。あらためて、仕事のどんなところにやりがいを感じていますか。
玉代勢
みんなが、開発プロジェクトにちゃんと向き合って仕事をしているところです。
つまづきやすいプロジェクトって、誰が何をやっているかが見えず、どんな経緯で意思決定されたのか?も分からないことが多い。伝言ゲームのような進め方をしているので、うまくいきません。
でも、ROUTE06では、GitHubですべての情報を集約していて、状況が見えるんです。プロジェクトの背景をみんなが理解をしたうえで進められている。この仕事の進め方は、とてもやりがいがあるし、情報を見える化して共有するという意識を持つことは自分自身にとって良い経験にもなり、キャリアに活きてくると感じています。
エンジニア目線でいうと、今誰がどんなコードを書いているかがわかるし、全体のプロダクト開発の進捗も見える。プロジェクトの立ち上げや、プロダクトの仕様も残っている。
誰が決めたのか、なぜこの仕様になったのかがわかるので、エンジニアがコードを書くときもプロジェクトの背景をくみ取れる。それが、とてもいいですね。
「受け身の姿勢」はプロダクトをダメにする
重岡
最近、玉代勢さんはPjMのお仕事が中心になっていますよね。もともと、開発をしたいと思ってROUTE06へ入社されているので、今の状況をどう感じているのかなと。
玉代勢
前職では、PjMをしながらコードを見る機会がほぼなくて、プロダクトレビューのときくらいでした。今は、実際にリポジトリのソースコードがどんな状況かを見れますし、担当プロダクトがどんなソースコードになるかもイメージがつきます。
ジェネラリスト志向なので、コードを書くことを追求するのではなく、開発プロジェクトの成功に注力したいです。
重岡
玉代勢さんがPjMの仕事で心がけていることを教えてください。
玉代勢
PjMの好きなところは、お客さまの要件や要望を最前線で汲み取りながら、どんなふうにプロダクトとして形にしていくかを考える過程と、それをメンバーで作り上げて、納品・リリースができるという成功体験が感じられること。これまでも、お客さまと目線を合わせることを心がけていました。
要件がまとまらないときや、社内で上申するためにどんなことが必要か、お客さまがどういう状況なのかを、ていねいに汲み取るようにしていました。
フランクに「頼っていただいて大丈夫ですよ」とか、「あまりうまく進んでいないみたいですが、何か困っていることありますか」と話をしながら、困りごとをキャッチアップして、一緒に解決してきました。お客さまからの信頼も得られるし、開発プロジェクト全体の進捗もよくなるんです。
重岡
反対に、やらないようにしていることってあるんですか。
玉代勢
受け身になってしまうのは、絶対にダメです。お客さまからの反応を待つだけ、スタックになってる部分を分かっているけれど一緒に解決しない、などのスタンスをとると、あとあとで課題が出てきます。スケジュールやスコープの調整が必要になって、プロダクト開発がうまく進みません。
必要な情報は提供する、事業計画も一緒に考えるところまで踏み込んでいくと、開発するプロダクトの背景も理解できるし、適切な予算を申請する動きもできます。お客さまに寄り添ったかたちで、プロダクト開発を一緒に進めることを心がけています。
重岡
対談の終わりに、今後のことを教えてください。
玉代勢
10年後は、エンジニアリングのトレンドを理解してプロダクト開発に反映できる、PjMであり、EMでありたいです。
経営側に関わるようなチャレンジをするフェーズもあるかもしれませんが、自分の技量を上げて、お客さまへ高い品質のプロダクトを提供しながら、一緒に働いているエンジニアがやりがいを持って働けるチームを作りたい。
PjMとしては、予算やリソースを適切に確保してからプロジェクトを進めることが一番の理想。難しいところですが、数字のことにも目線を向けながらプロジェクトマネジメントをしたいです。
ジェネラリスト志向があるんですよね。今は、自分ができることで会社に貢献する。直近はそのような働き方をしていこうと考えています。
(編集・執筆:マチコマキ)