ROUTE06エンジニア対談 - エンジニア吉田と考える「ユーザーが楽になる」ソフトウェア開発とは?

こんにちは。ROUTE06 Tech Blogの編集チームです。
ROUTE06のエンジニア対談を連載でお届けします。

第5回は、CTOの重岡 正さんと、吉田 真さんです。

2022年にROUTE06へ入社した吉田さん。現在、CHOOSEBASE SHIBUYAのテックリードとして、同サービスのグロースに関わっています。

吉田さんは、「ユーザーが楽になること」を第一に考えるエンジニアです。システムを使うユーザーに会ったり、直接声を聞いたりしながら、開発に関わってきました。

重岡さんと吉田さんは同世代。
対談では、初めてパソコンに触れた学生時代の思い出に話が弾む場面も。

吉田さんに、これまでのキャリアやROUTE06に入社したきっかけ、エンジニアとプロダクトマネージャーの理想的な関係などについて聞きました。

プロフィール

吉田 真 YOSHIDA Makoto

1987年生まれ。岐阜県出身。プログラマー歴は15年。
情報系の高校、大学で、COBOLやC++、C#などを学ぶ。ソフトウェア開発を通してユーザーの利便性を高められることに楽しさを感じ、プログラマーの道へ。

大学卒業後、校務支援システムの開発や、EC販売・受発注管理パッケージの開発を経て、2022年にROUTE06に入社。CHOOSEBASE SHIBUYAのテックリードを務める。

趣味は、写真撮影と自作キーボード。

 

ROUTE06エンジニア対談 - エンジニア吉田と考える「ユーザーが楽になる」ソフトウェア開発とは?

12歳でパソコンと出会い、ホームページを自作

重岡
今回のエンジニア対談のお相手は、吉田 真さんです。まずは、自己紹介からお願いします。

吉田
吉田です。2022年の5月にROUTE06に入社しまして、岐阜県からリモートワークをしています。

現在は、CHOOSEBASE SHIBUYAのテックリードとして、技術選定やアーキテクチャのリファクターなどを含めたプロジェクト全体を管理するほか、開発にも関わっています。

重岡
吉田さんと私は、同世代なんですよね。パソコンに触ったのは、いつ頃でしたか。

吉田
12歳くらいのときですね。突然、家にパソコンがやってきたんです。

重岡
うらやましい!私は親に交渉して、中学2年生のときにやっと買ってもらいました。どんなことから始めました?

吉田
パソコン雑誌やフリーソフトの本なんかを買ってみて、「パソコンでこんなことできるんだ」と、気になったところから触り始めた感じです。そのうちに、自分でもホームページを作るようになりました。

重岡
ありましたね。500円くらいでたくさんソフトが入ったCD-ROMがついた雑誌。ちなみに、どんなホームページを作っていたんですか。

吉田
黒歴史です(笑)。言える範囲でいうと、気に入ったソフトのレビューを書いたり、カウンターや掲示板などのCGIを設置して、独自にカスタマイズしたりしていました。

画像加工もできたので、学校では人気者でしたよ。「携帯の壁紙を作ってほしい」と頼まれることもありましたね。進路も、おのずと情報系に決まりました。

プログラミングを本格的に始めたのは、大学に入ってからです。ゼミの研究を通して、コードを書くのに熱中しました。

その後、名古屋のIT企業から内定をもらうんですが、リーマンショックによる内定取り消しに遭ってしまったんです。

重岡
あー……。私たちの大学時代って、そうでしたよね。

吉田
運良く違う会社に入社できたのですが、IT系の仕事ではなくて。やっぱりIT系が良いなと思い、県が実施していたIT人材育成事業の研修に参加したんです。

それをきっかけに、学校向けのシステムを開発・運営する企業でソフトウェアエンジニアとして働き始めました。

学校の先生の声を直接聞きながら、校務支援システムを開発

重岡
学校向けのシステムって、具体的にどんなシステムですか。

吉田
私が担当したのは、小中学校向けの校務支援システムです。校務とは学校事務のことで、通知表や先生たちの業務に関する報告書の作成、出欠管理など幅広いんですよ。

私自身、校務のことはまったくわからなかったので、実際に学校の先生たちにお会いして、「普段どんな仕事をしているのか」「どんな機能が必要か」などヒアリングしながら、開発していきました。

重岡
入社してすぐの話ですよね。まったく知見がないドメインのシステムを、ゼロから開発することに。

吉田
そうです。顧問として、学校現場のIT導入に積極的な先生がサポートしてくださったのですが、設計から開発まで、すべて少人数で対応していました。

難しかったのは、学校ごとに校務のやり方が異なること。開発リソースが限られているので、求められる機能をすべて開発していては、運用や保守が間に合いません。

なので、要望を抽象的に捉えつつ、どこの学校でも対応できる汎用性の高い機能を実装していきました。やり方に違いがありそうなところはパラメータを変化させるなど、導入後のことも想定して、設計・開発したことを思い出しますね。

重岡
契約後の導入支援やオンボーディングなんかも、吉田さんが?

吉田
そうです、すべてやっていました。市町村の教育委員会を訪問して、システムの説明をするような提案っぽいこともしましたし、市内の学校の先生に集まっていただいて、職員室で使い方の説明会も実施しました。

2016年当時、校務にシステムを入れることは、かなり先進的でしたね。今でこそ教育現場のIT化が進みつつありますが、その頃はまだ珍しい事例だったんです。

聞くところによると、現在も契約更新されているそうで。使い続けていただけるシステムを開発できて、良かったです。

その後は、ご縁があってECの受発注や在庫管理などのパッケージを開発・運営する会社へ転職しました。

機能のカスタマイズとコスト、持続的な開発のバランスに悩む

吉田
転職先の会社も、プロダクトマネージャーのような職務の人はいなくて、エンジニアが直接お客さまとコミュニケーションを取り、開発していくスタイルでした。

重岡
昔は、今ほどポジションが明確にわかれていませんでしたね。お客さまとエンジニアが直接関わることが多かった。

吉田
前職と同じパッケージの開発でしたが、大きく違ったのは、お客さまの要望にあわせて機能のカスタマイズができること。お客さまと一緒に、「どうやったら作業が楽になるだろうか?」と考えながら開発していました。

重岡
吉田さんが考えるECのおもしろさって、どんなところですか。

吉田
ECそのものというより、いろいろな開発ができるところがおもしろかったです。お客さまの業態や業種ごとに取り扱う商品が変わるので、つねに新しいことに取り組めて、飽きないんですよ。

たとえば、注文を受けてからのフローも、商品によって変わるんです。倉庫がオフィス内にあって、出荷を自社でやるのか、アウトソーシングしているかでも受注後のフローは変わります。商品数は数百点というショップもあれば、何万点という規模のショップもある。お客さまの数だけ、求める機能がありました。

一方で、カスタマイズの負の部分は課題でした。

たとえば、最新のソースにリニューアルするとき。カスタマイズ部分が多いほど、コストがかかります。お客さまのビジネス規模や予算によっては、かならずしもカスタマイズが正しい選択だとは限らないなと思いました。

重岡
確かに、運用や保守を考えると、カスタマイズせずに基本のパッケージ内でビジネスをしたほうが良いケースはありますよね。

吉田
楽天やAmazonなどのモールとも連携していたため、それらに仕様変更があると、対応が必要でした。しかし、お客さまごとにコードが分かれていたので、人海戦術的に対応しなくてはならなかったんです。

カスタマイズはいいのですが、規模が大きくなったり、コードベースが複雑になってくると、簡単にリニューアルもできなくなります。持続的に開発する視点は必要だなと感じていました。

重岡
コストやリソースを抑えつつ、汎用性の高い設計のシステムを作る経験と、お客さまの希望を聞いてカスタマイズする経験。その両方を経験していると、開発者としてできることの幅が広がりますよね。

吉田
そう思います。どちらにもメリットとデメリットがあり、その両方に関われたのは大きな経験になりました。

お試し業務委託での雑談タイムが、ROUTE06へ入社する決め手に

重岡
続いて、ROUTE06ヘの転職のきっかけを教えてください。

吉田
Findyに登録していたところ、スカウトメールをもらいました。ずっと地元の会社に勤めていたのですが、リモートワークが広がったこともあって、県外や東京の会社で働くのも良いなと、転職活動をしていたんです。

ROUTE06のことは知らなかったのですが、CHOOSEBASE SHIBUYAの実績を見て、「ECの経験を活かせそうだ」と思い、選考を受けました。

重岡
選考を受けるなかで、印象的だったことはありますか。

吉田
お試し業務委託の雑談会ですね。当時は毎日雑談会があり、EMの加藤さんたちとずっとしゃべっていました。ROUTE06が開発で大事にしている設計や考え方などがわかり、とても良かったです。「ROUTE06で働きたい」と思いました。

重岡
そう言ってもらえて、嬉しいです。お試し業務委託では、実務の部分はもちろん、仕事の進め方やコミュニケーションなど、実際のROUTE06に触れてもらうことを意識しています。

たとえば、ROUTE06はフルリモートワーク組織なので、ほぼSlackとGitHubでやりとりをしています。打ち合わせや雑談などリアルタイムのコミュニケーションもGoogle MeetやZoom、Slackハドルミーティングです。

聞いているのと実際に体験するのでは、やっぱり違うと思うんですよね。「お互いにミスマッチがないように」を確かめることは大切だなと。

また、面接では一部の人としか会えないじゃないですか。お試し業務委託では、一緒に働くエンジニアや同僚と関わってもらうことも大事にしています。

吉田
ROUTE06は組織も開発環境もモダンなので、「何をするんだろう?」という不安はありました。私は、すべて独学でやってきたところもありますし。

でも、お試し業務委託でみんなと一緒に働いて、自分の経験やスキルがちゃんと活かせるとわかり、自信になりましたね。

重岡
入社してから1年が経ちましたが、ROUTE06はいかがですか。

吉田
とても働きやすいですし、エンジニアとしてのやりがいもあります。

ROUTE06は、持続的な開発を見据えてソフトウェアの品質を担保していますし、改善の裁量が個々のエンジニアにある点が良いですね。

私は7人目のエンジニアでしたが、今では30人近くいます。ここまで大きく人数が増えていく組織にいるのははじめてなので、新鮮です。

プロダクトマネージャーとエンジニアをつなぐ「架け橋」

重岡
終わりに、吉田さんが開発で大切にしていることを教えてください。

吉田
ユーザーが、ちゃんと楽になるシステムを開発することです。システムは道具であり、ユーザーの困りごとを解決するもの。どんなにすごい設計のソフトウェアを開発したからといって、お客さんの仕事を楽にすることや、ユーザーの困りごとの解決につながらなければ、意味がないと思います。

重岡
ユーザーの声を聞きながら、さまざまな条件下で開発をしてきた吉田さんだからこその考えだと感じます。

吉田
根底にあるのは、校務支援システムを開発していたときの経験です。説明会で先生たちに使い方を教えていると、予想もしていなかった部分の使いづらさを指摘されるんです。

パソコンを使い慣れている人だったら、なんてことのない動作です。でも、先生たちの世代は幅広いですし、ITスキルもばらばら。「ExcelやWord以外で、ソフトウェアを初めて使います」という人も多かったので、どんな先生にも使えるソフトウェアでなければいけないと再認識しました。学習曲線が急上昇しないように配慮していましたね。

重岡
パソコンが得意な人の「この機能が便利」が、かえって使いづらさにつながってしまう場合もある。高機能が必ずしも最適解ではないんですよね。

実際に使うユーザーを正しく理解し、必要な機能が開発できるか。ソフトウェアの設計スキルやコーディングスキルだけではない、プロダクト開発においてエンジニアに求められるスキルのひとつだと思います。

吉田
プロダクトのビジョンとその機能が、本当にユーザーの課題を解決し、同時にビジネスの面でも成り立つのか。これらのバランスをとりながら、それぞれを両立させて、持続的にソフトウェアの拡張ができるようにする。そこまで気を配ることが、ユーザーを楽にするシステムの実現につながると思います。

重岡
エンジニアとプロダクトマネージャーの関係性が、これまで以上に大切になってくる。

吉田
プロダクトマネージャーからの依頼って、ときにエンジニアの利益と相反することも多いんです。一方で、エンジニアが仕様だけを満たすプロダクトを作ってしまうと、プロダクトのビジョンが形成されません。

理想とのギャップを、ちゃんと現実的な目線で見て、お互いの考えをすり合わせながら進めていく。難しいことですが、すり合わせができると、プロダクトの成果も寿命もぐっと伸びるはずです。

ROUTE06には、さまざまなバックグラウンドを持ったプロダクトマネージャーがいるので、エンジニア領域だけでなく、ユーザー領域をはじめ、さまざまな領域がカバーできる。どんなユーザーの困りごとも解決するプロダクトが作れるんじゃないかと、期待しています。

重岡
吉田さんは「ユーザーのために」と開発するなかで、コストとリソースの兼ね合いや、ビジネスの面で、さまざまジレンマを感じてきたと思うんです。

だからこそ、「何を開発することがお客さまのためになるか?」を考え抜けるし、ソフトウェアのあり方の全体像も描けるエンジニアなのだなと。

吉田
物事を良い方向へと変えていけるソフトウェア開発に携わるために、プロダクトがソフトウェアを通して本当に解決したいことを捉えたモノづくりをしていきたいですね。

軸足はソフトウェア開発に置きながらも、エンジニアとプロダクトマネージャーの架け橋のような存在になれると良いなと思います。

重岡
前回の黒田さんがデザインエンジニアになられたように、エンジニアの役割も細分化していく動きがありますね。将来を見据え、開発チームにはいろいろなキャリアパスを作れるといいなと思います。これからもよろしくお願いします!

 

(編集・執筆:マチコマキ